2016.6.27
「できる」と思った瞬間から転落は始まる(2016.06.07)

「自分は、仕事できるんです」
という思い込みは、ご面談ですぐに分かってしまいます。
実際に口にされなくても、雰囲気には必ず出るものです。
(まあ、これくらいどうってことないですよ)

これは困ったな、とこちらは思ってしまいます。
なぜなら、自分を「できる」と思うことは非常に危険だからです。
「できる」ということは、それ以上改善の余地がないとも言えます。
つまり、それは「もう成長できない」ことの裏返しにもなるのです。

そう考えてみると、「自分は仕事ができる」と思っている方は、
すでにその時点で、今後のキャリアには可能性がありません。
少なくとも現時点までの仕事以上のものはできないでしょう。
いや、現時点までの実績についても、本人が語るところは、
だいぶ怪しいものばかり、という気さえしてくるようになります。

ただ、こうした方については、同情の余地もあって、
だいたい、熾烈な環境でお仕事をされている方が多いです。
こうした職場では、いつ会社から左遷やクビが言い渡されるか、
そして同僚に蹴落とされ、冷や飯を食わされるか分からない。

そうなると、どうしても「自分はできる」という確信、
信念のようなものがないと、思うように仕事ができなくなり、
やがて、できないものさえも「できる」ように思い込み、
最悪の場合、できなかったのに「できた」と言い張る。
そう言わないと、失敗と見なされて負けてしまうからです。

もうこうなると手に負えない人物になりますが、
それもこれも、極端なプレッシャーがあるからで、
本当は、相当なポテンシャルをお持ちであるが故に、
そうした環境に身を置くことができたにもかかわらず、
こうした結末に至るのは、残念としかいいようがありません。

そもそも外資系や金融系の一流企業でこうしたケースがあるのは、
欧米では、失敗してもすぐ次の環境があるからなのですが、
日本にはそうしたセーフティネットが薄いこと、
そして何より失敗を極度に怖れる国民性のようなもので、
貴重なポテンシャルが失われているような気がします。

いずれにしても、「仕事ができる」という思い込みは、
時には必要ですが、一般的には非常に危険です。
どんな仕事でも、実力がある人はみな、
そこに完璧などないと感じているはずです。
実績が出れば出るほど、失敗の方に目が行くのです。

もっとできる、もっとやり方がある、もっと上がある。
だからこそ、本当に実力があるビジネスパーソンは、
社内はもちろん、社外も含めて勉強しています。
社内の競争である程度、立場がハッキリすると、
ある程度の人は満足してしまいますが、そこで飽き足らない。
そんな謙遜と向上心が、彼らの成長を支えているのです。

だから本当に実力がある方の場合は、
「仕事はある程度できてきたのかなと思います」
という言葉の後には、「まだまだ失敗ばかりで」とか、
「もっとできる方も沢山ですし」というセリフが続くのです。
この受け答えだけでも、その方の実力が垣間見えてきます。

とはいえ、誰もが調子に乗っている時はあるもの。
「よし」と思えば、自信が過信に変わることもある。
謙虚でありつづけ、成長を続けることは難しい。

ちなみに私も図に乗りやすい性格なので、1つ心がけていることが。
たまに、道ばたでつまずいたり、指をぶつけたり、
何か小さなミスで痛い目に遭ったりするたびに、
「これは戒めだ」と思うようにしています。
誰かが私を見ていて「いい気になるなよ」と言ってるんだと。
最も、時には「いまかよ!」と思うときも、ありますけどね。