2016.2. 9
面談で人は「大きく」見える

前週は少し力の抜けた話をしましたが、
今週からまた、キャリアにまつわる
さまざまな見解をお伝えしたいと思います。

ヘッドハンターの仕事は、人に逢うことがすべてです。
そして、その大半は1on1で行われます。
たまにイレギュラーもありますが、ほとんどの場合は、
面談先と当方の2名による1時間の顔合わせです。

いまだに日本の企業では、多人数での会議が多く、
評価フィードバックでさえ上司が2名いたりしますから、
純粋な1on1での打合せは少ないのではないでしょうか。
Yahoo! JAPANさんのように、制度にまで組み込むのは稀でしょう。

1on1の特徴は、一言で言うなら「逃げられない」。
途中でイヤになっても、絶対に逃げ場はありません。
まずは、自分から話を切り出さなくてはいけない。
先方からの質問には、自分が答えるより他にない。

結果的に、1on1はお互いの実力が如実に出ます。
だからこそ、企業の採用活動では欠かせない手段ですし、
そして多くのビジネスパーソンが学ぶべき方法論なのですが、
残念ながら、日本ではそうした機会が本当に少ないのです。

しかし、この経験は避けては通れないものであり、
そこで弊社はその機会を積極的に提供したいわけですが、
このコラムをお読みの方に、
まずはノウハウをひとつお伝えしたいと思います。

それは、人は自分を「大きく見せてしまいがち」ということです。

「あなたは何ができますか」と聞かれて、
相手にはそれを反証する手段がないわけですから、
自然と、都合の良いことばかりを話してしまいがちです。
この業績は何億だった、これはほとんど自分でやった、など。
時には、これが本当の「オレオレ詐欺」と思うことも...。

一方で、採用する側も良い候補者がいると、
つい大きく出てしまうことも、良くあります。
高級品が並ぶ売り場に来て、ちょっと奮発する気分で、
「じゃあ、年収はこれくらい」「このポジションに!」
と約束されると、後々とても大変になることもあります。
条件を出す場合、それは絶対に事前準備が必要なのです。

人間は、見栄やプライドがある生き物ですから、
こうした言動は、いずれも人間の性なのかもしれません。
自分も会社の話をすると、大きな事を語りがちなので、
あとで反省することも良くあるわけです。
誰もそこまでの絵空事は、聞きたいわけではなかったな、と。

理解あるビジネスパーソンであれば、
実証できない業績を、自分のことのように語ったり、
その場の思いつきで採用条件を示したりすることが、
面談という場において、重要ではないと分かっているでしょう。

面談では少し、自分を客観的に見ながら、謙虚に語ること。
それだけでも、その方の実力を少し、垣間見た気になるものです。
これは、その場限りのテクニックでは身につかないので、
日頃から心がけないと、なかなかできることではありません。

とはいえ、そういうことを心がけながらトライしてみるだけでも、
日常の仕事にもだいぶ違いは出てくるかもしれませんね。
面談はその方の実力の鏡とすれば、鏡を見るのも、
そこから学ぶのも、当事者次第とは言えるでしょう。
当方ももちろん、まだまだ修行の身だと思います。