2016.1.19
会社員か、社会人か。

新卒の入社式では、「社会人1年目」
という言葉が使われることがあります。
れは、会社員1年目ではないのかな、と、
例によって、うがったことを考える自分がいます。

日本の会社員は、新卒から定年までの終身雇用、
そして年功序列の定期昇給を保障する一方で、
会社がやれ、と言ったことは絶対命令であり、
ひたすら頑張るという「御恩と奉公」の関係にあります。

最近はもちろん、この考え方はだいぶ崩れてきましたが、
それでも年配の方を中心に、多くの日本人にとっては、
こうした企業文化の方が、なじみが多いように思います。

しかし、会社の命令通りに動く人間、
そして、人生を保障されている人間が、
本当に社会にとって何が大切かを考えながら、
何らかの貢献をすることで、ともに共存していく、
そんな「社会人」と全く同義に考えて良いのでしょうか。

前回も書いたとおり、昔の日本企業というのは、
常に成長し、変わり続けてきたという実態がありました。
なぜなら、社会にはそれだけ成長の余地があり、
それだけに会社員も、どうすれば社会に貢献し、
成長できるかを考えるタネが、いくらでもあったのだと思います。

大きな会社には比較的余裕もあるので、
そこで「やってみなはれ」と任せる裁量があり、
若い人たちも新しいビジネスに挑戦するなかで、
もっと社会に寄与すれば、もっと会社も成長し、
自分のキャリアも上向いていくという実感がある。

そういう古き良き日本社会は、会社員をしていても、
立派な社会人として認め、育て、応援してきたことでしょう。
ひとりひとりが転職しなくても、会社の方が、
転職に匹敵するだけの機会をみんなに与えていたのです。

しかし、残念ながら、いまはそういう時代ではなくなった。
日本社会は成熟し、成長は限界にきて、何をすれば、
もっと貢献し、会社の業績が伸びるのか分からなくなった。

すると、会社は何をしたら良いか分からず、
手当たり次第に仕事を社員に押しつけて、
社員も目の前の仕事をやるだけになる。
保障されていたはずの雇用も突然打ち切られたり、
もはや、最初にあった前提がグチャグチャになっている。

いま改めて、会社が社会にどうやって貢献するか、問われています。
そのなかで、ひとりひとりもまた、社会にどうやって寄与するか、
それぞれに問われているのだ、と考えるべきでしょう。

会社がやっていることに、違和感を感じたら、
それは自分なりの社会に対する貢献の仕方と、
会社がズレてしまっているのかもしれません。

しかし、それを確かめて行くには、
まず自分自身が、どうやって世の中に貢献するのか、
そういう視点がないと、ちゃんとした検証もできず、
なんとなくあやふやに、時間だけが過ぎていったりするのです。

どうすれば、自分は世の中に役立つ人間になるか。
そうです、遡って「志」の問題になります。
弊社は、決して答えを持っているわけではありませんが、
ひとりひとりの「志」を探す旅をお手伝いしています。

それは、転職を薦める仕事ではなく、ともに進む仕事です。
弊社の肩書きは、ひととおり航海をイメージして、
プランナー、ナビゲータ、クルーとあてがってみました。
海図無き航海を旅する方々を今日も捜し、海へ出ています。